メンテナンス
病態の原因としての生活習慣・癖その1 のお話し
本日はいわゆる寝相、睡眠時の姿勢についてのお話しです。
かつて、眠りが深くなるとか頭の形がよくなるなど、うつぶせ寝が流行した時代がありました。その後ヨーロッパやアメリカでも、生後数か月の赤ちゃんが突然死んでしまう「乳幼児突然死症候群(SIDS)」が問題になり、現在では日本でもうつぶせ寝は危険という認識が一般的になっているようです。
歯科に関連するところでは、睡眠時の姿勢が良くないと歯並びを歪めてしまうだけでなく、顎を歪め、お顔を歪め、顎関節症や頭痛の原因となることがわかっています。
全身をむしばむ歯周病その2 のお話し
10月31日朝のNHKニュース7 のなかで、「歯周病と糖尿病」、「歯周病菌が引き起こす心筋梗塞」など歯周病菌と全身疾患とのかかわりについての話題が取り上げられていました。
http://www.nhk.or.jp/ohayou/closeup/20111031.html
http://datazoo.jp/tv/NHKニュース+おはよう日本/522210
歯周病に罹患すると、お口の中に炎症が慢性的に起きている状態になります。そうすると体のほうは炎症を抑えようと炎症抑制の物質を多く作るように対応します。
歯周病と糖尿病との関連では、その炎症を抑制する物質が血糖値のコントロールをしている「インスリン」も抑制してしまい、結果的に「血糖値の上昇」が起きます。
従って、歯周病治療を行うことで間接的に糖尿病の状態も改善させることが出来ます。ニュース内では東大医学部病院と東京医科歯科大学歯学部歯周病科が連携して、入院患者の歯周病検査や歯石除去を行っている様子が報告されていました。
また、歯周病のコントロールに必要なこととして「自宅での正しいブラッシング」と「初期の段階での歯周病発見のための定期健診」を勧めていました。
歯周病と関連のある全身疾患として(その1でご紹介しましたように)、糖尿病の他に、高血圧を含めた心臓疾患・早産(低体重児出産)・肺炎などがあることを取り上げていました。
歯周病がお口の中だけの問題ではなく、『体全体に影響がある歯周病』であることを、今回のメディア報道をひとつの契機として、もっと多くのみなさんに正しく理解していただくことを期待しています。
CAD/CAM時代の審美歯科治療 のお話し
本年の夏に国内最大規模のスタディグループ、SJCD会長日高豊彦先生の研修会に参加して最新の審美歯科治療について研修して参りました。講師の日高先生とは、4年前の夏、浜田山ワイズ歯科の開院準備期間中にオフィスを見学させていただいたご縁がありました。
審美歯科治療も、他の歯科治療と同様『永続性Longevity』が求められます。
いくら『見かけ上美しい』ものを装っても、時間経過という過酷な環境の中では無力、やがて真実は何かを語るでしょう。
CAD/CAMやE-MAX、材料や技術が進化していく中で、決して忘れてはならないこと・・・見失わないように守っていくべきもの、溜息が出るほど美しい症例の数々に感激したことを思い出しました。
浜田山ワイズ歯科 のお話し
浜田山ワイズ歯科の開院は2007年12月でした。開院当初から定期検診などで来院している当時小学低学年のお子様と、「もう6年生になったんだね!」などとその成長ぶりに驚く会話が増えてきました。
浜田山ワイズ歯科は、いわゆる分院展開型(複数の関連医院に雇われ院長が配属されている)の医院ではありません。歯科医師は院長と副院長の2名、熟練の歯科衛生士・歯科技工士とチームを組み、すべての診断・処置など責任をもって対応させていただいております。従いまして『My デンタルクリニック(かかりつけ歯科医)』として『長いおつきあい』となる患者さまがほとんんどです。(より高度な診査、診断などが必要な際には、連携する病院や診療所をご紹介いたします。)
当院の基本理念として、包括歯科医療を目指しています。『ひとりの歯科医師がすべての診断・治療をハイレベルで行う』ことが理想的であり、あらゆる専門分野に精通してはじめて、それぞれの分野をコーディネートしていくことが可能になると考えます。時間・費用などを考慮しても、患者さまにとってのメリットは計りしれませんし、もちろんその理想にむかって研鑚を積む努力を惜しみません。
歯科も専門医療に細分化されていく方向にあることは当然理解しています。だからこそ、専門医に治療を委ねる場合の理由が問題です。『知識・技術がないからできない』のと、『知識・技術がある(リスクもよく理解している)からこそしない』のとでは全く意味が異なるのではないでしょうか。
包括歯科治療は、『なぜ病態(症状)となったのか』あるいは『なぜ治らないのか』診査をし、『原因』を診断し、『患者さまにとって最適な方法を選択・ご提案する』という当たり前のことを当たり前に実践しているにすぎません。むし歯・歯周病・小児歯科・矯正歯科・口腔外科・義歯・インプラント・咬み合わせ・姿勢バランスなどあらゆる分野の知識・技術を総動員して最短距離でゴールへ向かいます。審美歯科についても特別な分野ではなく『機能を追求すれば美しい形となる』、妥協のない問題解決を積み重ねた結果と考えています。今後も日々改善と研鑚を積んで参ります。
インプラントのメンテナンスその1 のお話し
『他院で施術したのですが、インプラントの術後管理(メンテナンス)をお願いできませんか?』
というご希望の方が昨年から急増しています。当院にメインテナンスを依頼するに至った経緯を伺うと、遠方から浜田山に転居していらした方、それまで通院していた歯科医院に行くのが面倒になった方、知人の紹介で手術はしたものの治療の途中で喧嘩別れしていらした方など理由は様々です。
インプラントを用いた治療は予知性の高い治療法であることはもはや論を待たないでしょう。ただし・・・適応を見誤らず、的確な診断の元に適切な施術を行い、そしていちばん大切なメインテナンスを継続していけば・・・の話しです。
インプラント治療に限らず歯科治療後の状態を長期に維持していくためには、患者さまとの信頼関係、術後メンテナンスが極めて重要と考えます。
薬で治るの!?歯周病その2 のお話し
前回のその1で 『歯周病が薬で治るの?』 の答えがYESでもありNOでもあるお話しをしました。
YESの理由は、2000年代に入って歯周病原細菌を比較的容易に検出する検査方法が確立されてきたからです。患者さまの歯周病の原因となっている歯周病菌の種類、いわば『犯人は誰か?』を特定することで、その菌に有効な薬を処方する事が可能になりました。それは医科における血液検査など各種検査の後に有効な抗生物質を処方する(服用する)のと全く同様の考え方です。
さらに、歯周病で失われた組織を再生するための治療(再生治療)の際に、ある薬を応用することが有効であることが分かっています。(詳細は次回のその3で)
一方NOの理由は、現在のところ歯周病を『薬の力のみ』で治すことは不可能だからです。
歯科も全身の中で重要な機能の一部分を担っている医療の一分野ですので、『歯科だけ特別にはやく治らないの?・・・』という都合の良い考えは残念ながら当てはまりません。病原細菌をお口の中から可及的に除去するには、従来の治療方法である機械的清掃(歯石取り)を薬とともに実施する必要があるのです。
『歯周病の原因菌に効果が大きい薬』の登場によって、従来の治療法とこの薬を併用することで『治療に必要な期間を短縮』することが可能となりました。これは患者さまにとって大きなメリットであると考えております。
薬で治るの!?歯周病その1 のお話し
歯周病は歯周病原細菌によって引き起こされる細菌感染症であり、同時に生活習慣に関連する生活習慣病でもあるのがきわめて特徴的です。
従来の歯周病治療は、少なくとも数か月、場合によっては1年以上を要することもありました。患者さまの立場になってみると「薬で治らないのですか?」、「もっとはやく治りませんか?」といった訴えをしたくなるお気持ちもよくわかります。
歯周病は薬で治るの?の答えはYESでもありNOでもあります。
歯周病治療は、原因因子の除去と修飾因子(リスクファクター)の排除が必須となりますが、原因因子の除去とは歯周病原細菌の除去のことを意味します。つまり、お口の中の歯周病原因菌を長期的に可能な限り少なくする必要があるわけです。
口腔内写真は何のため?その2 のお話し
規格性のある、精度の高い口腔内写真は重要な情報を多く含んでいますが、撮影後にはどのように生かされているのでしょうか?
1)患者さまと共有する
初診時・治療途中・治療後など様々な場面で撮影、記録し大切に保存します。患者さまの現状を御本人に見ていただくことによって、診断の理由や治療方針などを理解する際の手助けとなります。さらに術前・術後の写真を比較をすることで治療効果を視覚的に確認することも可能となります。また、他の患者さまと似た状況であれば、その方の写真を供覧することで具体的な処置・処置後どうなったかなどをあらかじめ知ることが可能となります。
この過程を日常的に行うか否かで歯科医師のレベルが大きく変わるといわれています。3)にも関連しますが、写真を診る目を養うことで診察のレベルが上がっていきます。精度の高い口腔内写真があれば、たとえ診療終了後でも休日であってもその気さえあれば好きな時間に何度でも診察できるわけです。結果的に日々研鑽・研修していることになり、深い洞察力、診断力が養われます。
スタディグループ・学会等で症例報告、あるいは専門雑誌に論文投稿する際や書籍を出版する際に必須となります。
口腔内写真は、その有効性や意義を理解している医師の立場としては撮影しない理由が見当たりません。レントゲンのような被爆もありませんし、利用の仕方次第で医師・患者さま双方に大きな利益をもたらします。医療の現場では『記録を残していく』行為はきわめて重要なのです。 つづく
口腔内写真は何のため?その1 のお話し
歯科医院でx-ray写真(いわゆるレントゲン写真)を撮影したご経験のない方は少ないはずです。x-ray写真は我々の目に見えない部分を視覚化し、診断のための情報を補足してくれるからです。
しかしながら、口腔内写真を撮影したご経験(CCDカメラを除く)のある方は少ないかもしれません。規格性のある、精度の高い口腔内写真は直視した場合(いわゆる視診)よりもはるかに有用なことも多いのですが、コンスタントに口腔内写真を撮影する歯科医院(歯科医師)は少ないのが現状です。
それにはいくつかの理由があります。撮影の難易度が高い・研修する機会がない・手間がかかる割には保険点数が低いなど、が考えられますが、日常的に継続していくにはハードルが高いのかもしれません。
それ故に、採算を顧みず口腔内写真を診察に生かし、臨床にフィードバックしている医院(医師)は、きわめて前向きに診察に取り組み研鑽を続けている、すなわち信頼できる歯科医院といえるのではないでしょうか。 つづく
第7期行田塾 のお話し
根の治療から1年7か月 のお話し
本日いらした50代男性の患者さま、初診は今から1年7か月前、下奥歯がズキズキ痛んで(左の写真;青い円)の来院でした。その際にはお痛みの原因となっていた歯の
根の治療の後、新しいブリッジを装着しました。本日はそのブリッジが外れていらしたのですが、それもそのはずです。このブリッジは仮着(仮止め)用のセメントで装着していました。
仮 着3ヵ月後に咬み合わせ・セメントの状況などを確認してから長期使用耐性のあるセメントで再装着する予定でした、もちろん患者様にも了解済みでした。あん なにひどく痛み、レントゲン写真にも大きな影を認めた歯根の病変でしたので、しっかりとした根の治療と適切な機能(咬み合わせ)の回復及びブリッジ装着後 のメンテナンスが必須です。何故なら、 咬み合わせは経年的に変化していきますので、良好な治療経過を維持していくためには、その変化に対応していくことが欠かせません。
しかしながら患者さま曰く、当初のお痛みも消え去りブリッジもとても快適だったとのこと、仮止めのこともメンテナンスのこともすっかりお忘れのご様子でした。私たちの心配とは裏腹に、歯 根の大きな病巣は良好な術後経過であることを知ることとなりました。
歯を失ってしまった場合の治療方法その2 のお話し
杉並区浜田山ワイズ歯科です。前回は、欠損補綴の方法、4種類についてでした。奥歯から3本以上の欠損(歯を失ってしまった)状態の場合には、インプラント治療がきわめて有効です。
その1から登場いただいている写真の患者様は、左下の奥歯を4本失っておいででした。しばらくは右側や前の歯でなんとかお食事していましたが、上の前歯が折れてしまいました。左奥の分の負担が前歯に集中したのでしょう、頼みの前歯も危うくなってお困りとのことでワイズ歯科へおいでになりました。義歯(入れ歯)、ブリッジ、インプラントそれぞれに長所・短所があります。インプラントも万能ではありませんが、隣接する歯を傷つけずにしっかりと噛める機能を回復することが可能です。それがインプラント治療の大きなメリットのひとつです。
患者様はインプラントを選択なさいました。喫煙の習慣が影響したために治療期間が予定より数か月
延長することになりましたが、節煙に努めていただき、マイナーな軌道修正が必要ではあったものの、大きなトラブルは回避することが出来ました。良い治療結果は、患者様のご協力無くしては成し得ないといことを改めて実感しました。また、治療後の良い状態をより永く維持していただくために、定期的に来院していただいてチェックアップとメンテナンスを継続していくことがきわめて大切です。
治療はひとまず終了しました、これからメインテナンスがスタートします。Nさま、お疲れ様でございました、今後も当院のDr、DH(歯科衛生士)と2人3脚で頑張っていきましょうね。







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